名門「慶應義塾」の創始者・福沢諭吉は知性0%だった?
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第42回 ~福沢諭吉~
続いて十二運星を見ていく。
「衰(すい)」:長老の星、村をまとめる長のイメージで客観的にものを見るのが得意。長老的な役目を持ち、知識が豊富。慎重に行動し、地味な生活が好き。引っ込み思案で謙虚な態度の持ち主。
諭吉は、少年の頃から大人びていたという。どんなに褒められようとも有頂天にはならず、どんなに軽蔑されようとも怒りはしない。兄弟げんかや仲間同士のけんかもしたことはなく、喜怒色はほとんど表さなかったようだ。小さいうちから、客観的に物事を見るのが得意だったのだろう。
「病(びょう)」:夢見がちで空想が好き。芸術性が高く神秘的なものを好むが、現実的でなく優しすぎる面を持つ。ムードメーカーである。
「胎(たい)」:赤ちゃんの星。好奇心旺盛で新しいもの好き。新規開拓が得意。多芸多才で変化を好む。理想を求めて満足できず、仕事や結婚で迷いやすい。新しいもの好きの諭吉。渡米、渡欧経験は諭吉にとって相当意味深いものだったろう。当時としては珍しく、海外の文化を率先して日本に取り入れた。それまであった日本の学校や病院の体系を一新し、それまで庶民には馴染みのなかった肉食や西洋の衣食住も定着させた。カレーライスを広めたのも諭吉だという。
また、日本になかった制度のひとつが、保険。それまでの日本では、災難がふりかかったときには、家族で何とかしようと考えていた。しかし、ヨーロッパを参考にみんなで助け合おうという考えのもと、保険会社を作った。また、中央銀行の考え方を日本に伝え、日本銀行の設立に大きく貢献した。
当時、海外の制度を取り入れるにあたり、様々な漢字も作った。経済、為替、簿記、演説、社会、議論…どれも今の私たちに馴染みのあるものばかりだ。
日本の近代化に欠かせなかった文化人として、諭吉は1984年より一万円札の肖像に選ばれ、現在もお財布でお目にかかる非常にありがたい存在だ。それゆえ、国民の周知度は非常に高く漠然と「すごい人」というイメージがあるだろう。慶應義塾にお世話になり9年目となる筆者ももちろん例外ではない。しかし、今回の鑑定をきっかけに諭吉について調べるとともに、それは非常に表面的なものなのであったのでは?と自分を省みた。例えば、人間平等を説きながら、「脱亜論」を主張する諭吉について矛盾を指摘する批判も多くあるが、きっとそんな単純なことではあるまい。
今回の四柱推命鑑定を通し、優しくも攻撃的で芯が強い諭吉像が見えてきた。当たり前のことだが、私たちと同じ楽しいこと好き、ビール好きの人間だ。わかったような口を効き、漠然と「すごい人」と崇めるのでなく、諭吉の真意、神髄に迫る努力をしようと心に決めた今日この頃だ。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。
【参考文献】
「福沢諭吉」会田倉吉 吉川弘文館(1974)
「人間 福沢諭吉」松永安左エ門 実業之日本社(2008)